2011年11月28日月曜日

旅のラゴス  筒井康孝著



この前の金曜日から今日、月曜日まで、プロバイダである中華電信に問題があって、家でインターネットが全く使えませんでした。そのため読みかけでそのままになってたこの本を、ちょうど読み切ることができました。

この物語はSFです。なので、どこの星の、どの時代かよくわからない設定で、聞いたことのない馬や植物の名前が出てきたり、たまにワープしたり空を飛んだりするという空想ものです。けれど読みながらファンタジーを感じることはほとんどなく、自分とラゴスを重ね合わせて考えているのでした。

ラゴスの旅は、地理的な旅ではありますが、それは同時に人生を旅することになります。行った先で何年も奴隷として働かされたり、そのあと別の国で王様になったり、その後何十年もかけて命がけでふるさとに帰ることができる。でも、また次の旅に出かけてしまう・・・。

人はもともと安住が許されていないのではないかと考えてしまいます。

自分自身は今、「銀鉱」での奴隷なのかもしれません。そして、この先も決して安住の地はやってこないのだと思います。老いて死ぬまでは・・・。




0 件のコメント: