2009年12月27日日曜日

小学五年生   重松清著

 小学5年生の「少年」を主人公にした17編のオムニバス。どの物語にも、自分が小学生だった頃の心情と重なるものがあって、そのときの情景を思い出しながら読みました。きっとここに出てくる小学5年生は、自分たち世代の小5を描写しているんでしょうね。

 特に自分が転校生だったこともあり、転校生ネタには感情移入してしまいました。転校って、それまでの友達と別れる切なさと、新しい学校に対する現実的な不安が入り混じって、結構ストレスなんですよね。はじめのうちは旧友との思いでに慰めてもらってるのですが、しかし、知らず知らずのうちに双方の心が離れていく・・・。久しぶりに昔住んでた町を訪れた時、あれほど毎日見てた風景が、よそよそしく感じられてしまう心の変化・・・。わかるような気がします。

 思えば社会人である今でも、転勤を重ねるたびに、同じ気持ちになります。小学5年生であっても、もうすぐ42歳になる中年であっても、別れや出会いで感じるものは同じなのだということを気づかされました。

 さて、今年も残りわずかとなりましたが、今年は他社の駐在員の方々とたくさん知り合い、またお別れもしました(ま、仕事というより、ゴルフ&飲み友ですが・・・)。ほんの数カ月間でも、旧知の仲みたく打ち解けることができるのは、海外駐在という特殊な状況下にあるからかもしれません。このさき半年も経てばお互い忘れてしまうのでしょうが・・・。

 だけど、それは決してイケナイことではなく、ごく自然なことなのです・・・ってことをこの本で再確認しました。


 全く関係ないが、風邪がぜんぜん治らない。辛い・・・。
 

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